はじめに

こんにちは。現在研修真っ最中の ぐぅ です。

先日、アナログ研修の中で 「コイル」 について勉強しました(図 1)。
コイルとは、導線をぐるぐる巻きにした筒のような構造をしています。
小学生の理科の実験などで使った方もいるのではないでしょうか。

図 1: コイルの記号

そんな比較的身近な部品 「コイル」 を学ぶ中で出てきた 1 つの疑問についてまとめてみました。

コイルは電源 IC と組み合わせることで電圧を高くしたり(昇圧)、低くしたり(降圧)することができます(電圧変換)。
以下に昇圧回路の例を示します(図 2)。

図 2: 昇圧回路の例

この回路では 1.5 V の入力電圧を約 5 V まで昇圧し、それによって LED を点灯させています。
(右下の PULSE はオシレーターで、これによって LED を点滅させることができます)

ここで 1 つの疑問が生じました。
「入力電圧を高くして出力する」… どうしてそのようなことができるのだろう?

解説

コイルにはちょっと変わった性質があります。
 1. 電気を流そうとすると、流させないようにする。
 2. 電気を流すのを止めると、余計に流そうとする。

これは一体どのようなことなのか、図を使って説明します。

■ 電気を流そうとするとき

「コイル」 は電気が流れるのを邪魔します。

コイルにエネルギーがたまっていきます。

■ 電気を流すのを止めたとき

コイルは流れを邪魔するのをやめて、たまったエネルギーをポイッと捨ててしまいます。

この時捨てられるエネルギーはそれほど大きなものではありません。
しかしスイッチの入、切によってこの一連の流れを高速で何度も繰り返し行うと、
下の図のように時間とともに電圧がどんどん高くなります(昇圧される)。
まさに 「塵も積もれば山となる」 ですね!

まとめ

コイルのちょっと変わった性質により、スイッチの入、切を高速で変化させることで入力電圧を高くして(昇圧して)出力することができる!

■ ぐぅのつぶやき

図 2 の昇圧回路は実際に研修で作成した基板です(写真 1)。
配線が上手くいかず、何度もショートさせてしまいました ((+_+))。
でも最後は成功し、実際に電圧が 1.5 V から 5 V まで昇圧されたときはとっても嬉しかったなぁ…

写真 1: 実際に作成した昇圧回路

■ 「コイルの魔法 ~昇圧~ 」 シリーズ をまとめてチェック!!

 ● コイルの魔法 ~ 昇圧 ~
   コイルを使用した昇圧の原理を分かりやすく解説!
 ● 続!コイルの魔法 ~ 昇圧 ~
   昇圧に限界はあるのか?その謎に迫ります!